樹木のお手入れについて
- 水遣り
- 剪定・刈り込み
- 除草
- 施肥
- 病虫害駆除
まずご入居されたら…
植付け一年目の樹木は生長に必要な細根が未発達であり、水遣り作業は重要です。
植物の枯れる原因の多くは、水遣りの失敗です。もちろん雨が降らなければ水遣りをしなければなりませんが、水のやり過ぎによる庭木の枯れも多いのです。
では水遣りはどのようにして行ったら良いの?
植物の水分は根から吸収されて体内に蓄えられ葉から蒸発します。
根が吸う以上の水分を蒸発し続けると、庭木は蓄えられた水分を使い果たし、ついには水不足で枯れてしまいます。
❶一度に多量の水を 与える |
同量の水を2回に分けて与えるよりも1回で与えるほうが効果が大きいです。不定期な水遣り、少量ずつの水遣りは植物に負担を与える事にもなってしまうので要注意です。 |
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❷夏場の水遣りの 時間帯 |
早朝または夕方に水遣りを行うようにしてください。太陽の当たる時間帯に水遣りを行うと、水がレンズの役割をして、葉が焼けてしまいます。また、中途半端な量の水を与えると、水はすぐにお湯になってしまい、かえって植物を弱らせてしまいます。日中に水遣りを行う場合には、大量の水を葉に掛からないよう根元に与えてください。 |
❸冬場の水遣りの 時間帯 |
気温が低く、土が乾燥しにくく、植物も水を欲しがらないので地植えの樹木への水遣りは、ほとんど必要ありません。但し乾燥の状況に応じて水遣りを行う場合には、凍結を避ける為、気温が上がってくる午前中に行うようにしましょう。低木や草花への水遣りも同様です。 |
庭木が生長しはじめたら…
一年以上経過し、すっかり根付いた庭木は土に含まれた水分で十分育ちます。水を遣り過ぎて常に根が水に浸かっていると、根は呼吸が出来ないために腐ってしまいます。
水の遣り過ぎには特に注意が必要です。
水遣りの目安「春夏秋冬」
春期 4月~6月 |
芽が伸び出したら徐々に水の量を多くします。 | [樹木]3日に1回程度 |
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梅雨期 | 雨が多いので控えめにします。 | |
夏期 7月~8月 |
葉の数が多くなり気温が高いので盛んに水分を蒸発します。朝夕にたっぷりと。 | [樹木]2日に1回程度 [低木・草花・地被類]毎日 |
秋期 9月~11月 |
次第に気温が下がり庭木の活動も衰えてくるので徐々に水の量と回数を減らします。 | [樹木]7日に1回程度 |
冬期 12月~3月 |
落葉してから新芽が伸び始めるまでの間はほとんど水遣りの必要はありません。 | [樹木]10日に1回程度 (土が乾燥している場合) [低木・草花・地被類]状況により必要 |
剪定
庭木の手入れと言えば、まず鋏で枝や葉を切ることを思い浮かべるでしょう。それが剪定です。
剪定は何の為にするの?
庭木を何の手入れもせず放っておくと、大きくなりすぎたり、その木の持っている美しい姿が崩れたり、葉のふところが日照不足となって虚弱枝が出たり、病虫害が発生しやすくなるなど、樹木の生育に都合の悪い事が現れます。このようなことが無いように剪定を行い、下記の事柄を助けるわけです。
剪定の効果
- 1. 適当な大きさと美しい樹姿を保つ。
- 2. 樹体を強くし、病虫害になりにくくする。
- 3. 花芽分化が促進され、花付きが良くなる。
- 4. 若返りが促進される。
剪定はいつするのですか?
剪定には、よい時期、悪い時期があり、適度な時期に行わないと植木が弱ったり、ひどい時は、枯れたりします。おおむね、次のような時期なら大丈夫です。
剪定によい時期
- 針葉樹
- 3~4月・10~11月頃
- 常緑樹
- 5~6月・9~10月頃
- 落葉樹
- 6~7月・11~2月頃
花木の剪定は、もう少し注意を要します。花芽分化期があって、これ以前に剪定を済ませておかないと次回の花付が悪くなります。
剪定はどのようにするのですか?
まず、「誰が見ても不必要な枝」を切る事が第一歩。そして、その不必要な枝を根元から切り落とします。
Aの位置で切ると…幹の側に伸びて枝が混み合ってしまう
Bの位置で切ると…枝が交互に伸びてゆく
Cの位置で切ると…外側に伸びて樹冠が広がる
どの枝を切るか?
- 1徒長枝
- 普通の成長以上に伸びた枝、枯れ枝や病気の枝、虫が食べた枝なども切り取ります。
- 2逆さ枝
- 普通の枝と違う方向に伸びた枝は切り取ります。
- 3混みすぎた枝
- 幹のほぼ同じ所から同じ方向に枝が出ることがあります。
樹形が悪くなるので大きな枝を残し、切り取ります。
- 4ふところ枝
- 幹や大枝から貧弱な小枝が出ることがあります。
今後の成長が望めませんので切り取ります。
- 5ひこばえ
- 植木が弱ってくると地際より小枝が出てきます。衰弱した原因を調べる必要がありますが、とりあえず地際より切り取ってしまいます。
- 6その他
- 枯れ枝や病気の枝、虫が食べた枝なども切り取ります。
生垣の刈り込み
生垣や丸く仕立てた潅木などには刃先を揃える作業があります。大型の鋏で刈り込むのですが、コツを覚えれば誰でもできますので、ぜひ日曜植木屋さんを楽しんでみてはいかがですか?
刈り込みの時期はいつですか?
生垣は基本的には萌芽力の大きい樹木なので5月頃に一回、6~8月の間に最低2回は刈込みます。樹種にもよりますが、こまめに刈込んでいると、きめ細かい生垣が出来ます。花木は、花が終わった頃刈込みを行うのが理想です。
刈込みの注意
- 1. 生垣は上の枝を強く、下の枝を弱く刈込みます。
- 2. ひもを張って、まっすぐ刈込むようにします。
- 3. 針葉樹は萌芽しにくいことがあるので、あまり刈込みません。
- 4. 潅木は葉を切断して見苦しくなるので、木鋏で小枝を切ります。
上を強く刈ることにより、下からの発芽が促進されます。下ばかり剪定しますと、木は上へと成長しますが、下側の葉はだんだんと薄くなり、目隠しとしての機能が損なわれます。
雑草取りも大切な仕事です。
もし、雑草を怠ると背の低い潅木は日光が当たらなくなって生長できなくなりますし、大きい木でも雑草に水分や養分を取られて生育が阻害されます。その上、なによりも庭の美観が大変悪くなってしまいます。気が付いたとき、まだ背丈が小さいときにこまめに抜き取るようにします。
どのような除草剤があるの?
面積が広いときは除草剤を散布するときがあります。しかし、いかに毒性が低いといっても、有用な植物環境や生態系のバランスを崩す等悪影響を及ぼす恐れもありますので、慎重に散布するようにしましょう。
土壌処理剤 | 発芽前に薬剤を散布して根から吸収させて枯らす。 |
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移行処理剤 (ホルモン系) |
発芽前に薬剤を散布して根から吸収させて枯らす。 |
接触処理剤 (非ホルモン系) |
表面に宣布して薬剤のかかった部分を枯らす。 |
選択性除剤 | イネ科以外の植物を枯らす。 |
非選択性除剤 | 全ての植物を枯らす。 |
除草剤を選択するポイント
- ポイント1
- どんな場所に散布するのか?
- ポイント2
- 枯らしたい雑草の草丈は?
- ポイント3
- 枯らしたい雑草の種類は?
- ポイント4
- 効果が現れるまでの速度は?
- ポイント5
- 除草効果の持続時間は?
- ポイント6
- 散布場所は水が使えるか?
- ポイント7
- 散布面積は?
- ポイント8
- 専用器具(噴射器)はあるか?
自然に生育している樹木に肥料を与えていません。庭木にはなぜ肥料を与えなければならないのでしょう?
庭木にはなぜ肥料が必要なのか?
自然の状態では、木の根元に落ち葉がたまります。この落ち葉は昆虫や微生物の働きで分解され、肥料になって土に還元され、樹木の養分になるのです。ところが、庭木は掃除をするために養分の供給が不足がちです。ただ庭木は草花のように頻繁に与える必要はなく、生育期に1回、遅効性の肥料を散布し軽く土と混ぜ合わせます。また肥料を与える時期は原則活発に活動する生育期となります。
花をより大きく、美しく、野菜・結実をより美味しく育てる為に多くの養分が必要となり、生育に不足する養分を人工的に補います。
肥料の3要素
有機質肥料 | 自然の材料を腐植発酵させてつくったものです。効果が緩やかで遅効性肥料(固形)とも言われています。 与えた時からゆっくりと効きはじめ、長期間効果が持続します。 |
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堆肥・腐葉土:葉や茎、小枝などを腐植させたもの バーク堆肥:樹皮、枝などを腐植させたもの 油粕:大豆や菜種の絞り粕 鶏糞:骨粉・魚粉 |
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無機質肥料 | 化学的に合成されたもので即効性肥料(液体)が主体です。 与えたらすぐに効果がありますが、その時だけ作用しますので定期的に与えます。 |
窒素系、リン酸系、カリ系、配合肥料 ・液体肥料 (・肥料固形) |
毛虫が大切な植木の葉を食べてしまった…。急に葉が枯れてきた、元気が無くなった…。
病虫害にはどのような種類があるの?
樹木も人間と同じでいろいろな病気が出てきます。その病気の原因は昆虫、バクテリア、ウイルスなどがあります。そして、人間の場合と同じで、病気になる前にまず予防枝を透かして(剪定)通風と採光をはかることだけでも効果的です。
どのような薬剤を散布すればいいの?
病害虫の原因である昆虫、バクテリア、ウイルスによって散布する農薬も違ってきます。間違った使い方をすると十分な効果が得られなかったり、逆に薬害が生じてしまうこともあります。そこで、まず病害か虫害かを見分け、さらにその種類を調べます。薬剤の購入と使用に際しては、必ず説明をよく読んで、記載内容にしたがって下さい。
薬剤の選び方のポイント
❶虫?病気?を 判断しましょう。 |
・どういう症状がでるか。 ・虫の姿が見えないか? ・被害の拡大、蔓延状況はどうか? |
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❷薬剤の 剤型、特性、効果等を 理解しましょう。 |
・剤型ごとの利点、注意点を理解する。 ・使用場所、規模等の条件に合った剤型を選択する。 |
❸用途、使用方法、 使用面積に応じて 選択する。 |
・対象植物名を再確認する。 ・植物と適用病害虫が合った薬剤を選択する。 殺虫剤…デブテックス乳剤、カルホス乳剤、スミチオン乳剤等 殺菌剤…ダイセン、石灰硫黄合剤等 |
病害・虫害にはどのような種類があるの?
主な病害 | ウドンコ病 | 植物体上にちょうどウドンコをふりかけたような白色粉状物質を生じる糸状菌病です。対処法としては剪定を行い通風、採光を良くしたり、病葉を焼却したり、あるいはウドンコ病専用防除剤を散布するのが効果的です。 |
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スス病 | この病気は葉が黒色スス状物で覆われる糸状菌病です。通気性や日当たりが不良で多湿環境を好んで発生します。本病気は吸汁性害虫の寄生が最大の誘因となるので、アブラムシ、カイガラムシを駆徐することが最も重要となります。また、剪定を行い、通風、採光を良くする事も効果的です。 | |
主な虫害 | アブラムシ | アブラムシが寄生すると枝の伸長や葉の展開に影響を及ぼします。また二次的にスス病を併発し、黒く汚染されます。防除するには剪定によって通風、採光を良くすると共に、薬剤散布が効果的です。 |
チャドクガ (茶毒蛾) |
葉を食害すると共に、有毒な毛をもっているので、これに触れると激しいかゆみが長く続いてしまいます。チャドクガは薬剤に弱く、市販のスプレー剤でも充分効果があります。 |