ララポラス 2018新春号
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『nestle house』‐寄り添える住まい‐デザイナー 大湖正之「nestle house」は、世代を超えた持続可能な暮らしという観点での新しい試みです。「別居は遠すぎる、同居は近すぎる」と考える人にとって、近づくことも距離を保つこともできる「添居」は、有力なひとつの選択肢になるでしょう。「添居」という住まい方同居とも別居とも違う提案家族が寄り添いながら柔軟に住み継いでいく多様なライフスタイルを持つ現代において、同居でも別居でもない、新たな選択肢としてポラスが提案する住まい方のひとつが「nestle house」の添居です。元々あった主屋を残したまま、敷地内に子世代の家(離れ)を新築。離れは現代の住宅に必要なスペックを、最小限のスペースに収めました。それぞれが独立して生活可能なのはもちろん、ふたつの庭(道路に開かれた駐車スペースとリビングに面した庭)を共有することで、心地よい距離感でコミュニケーションをとることができます。離れがあることで、住み方の幅も大きく広がります。また、世代を超えて住み続けられる住まいは、地域の価値を向上させることにもつながります(下図を参照)。家族が寄り添いながら、主屋と離れを柔軟に住み継いでいける点が評価され、「nestle house」は2017年度のグッドデザイン賞を受賞しました。かたちを変えながら住み継いでいく「添居」のスタイルを地域に増やしていくことで、長期的には空家問題や、核家族化にともなう家族の孤立も防げるかもしれません。TIME DIAGRAM/親から子、そのまた子へとつながっていく家同居でもない別居でもない【添居】という新たな選択肢を提案する3つの世代が寄り添いながらほどよい距離感で生活を送る2人ではもてあますようになったかつての主屋は、時間とともに劣化し母は新たな選択肢を模索し始めます親が旅立ち母は【同居】を選択する。子は【nestle house】で新たな生活を始める【nestle house】子(母)は【添居】を選択する[現在]子は成長し各々が選択を始める家族4人での生活15LaLa polus Vol.13

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